例えばリポソームを観察するとき、単に染色すればリング状の構造が見えるわけではありません。染色時の温度、時間、また場合によっては染色前後の処理が必要であり、それらの条件検討のために何度も染めては観察しての繰り返しとなります。リポソームやエクソソームは、染まったかどうかの判定が難しく、慎重に判断しないと結果を見誤ることがあります。例えば論文でエクソソームの内部が白く抜けたような画像を見ることがありますが、それらは染色液が浸透していないということであり、信頼できるデータではありません。
この技法は免疫染色と組み合わせることも可能です。無処理の試料を使用できれば抗体の反応も良く成功率は高いです。ただし、その際の結果の判定にも熟練を要します。論文等でエクソソームの免疫染色像を見ることがありますが、結果の判定が誤っているものを多く見かけます。それだけ解釈が難しいということでもあります。