技法紹介

走査型電子顕微鏡による表面構造の観察(生物試料)SEM

生物試料の表面構造を観察する技法です。TEMの切片観察に比べると直感的に像を理解しやすくインパクトのある画像が得られるため、一般向けのテレビ番組やカタログなどで使用されることが多いです。一見、簡単に撮れそうですが、基本的に電子顕微鏡は生きた細胞は入れることができません。そこで、TEMの化学固定法と同様に組織を固定、脱水します。その後は形が崩れないように凍結乾燥し、金属コートすることでようやく観察が可能となります。走査電子顕微鏡には様々な種類がありますが、大きく分けると高分解能型と汎用型に分かれます。当社では高分解能型のFE-SEMを導入しています。汎用型の走査電子顕微鏡は1万倍を超えると極端に像質が悪くなりますが、高分解能型は一桁以上高い分解能で観察が可能です。

試料作製法

酵母SEM

簡単に観察できるように思われがちですが、実は観察までには多くの工程を要し、そこにはノウハウが必要です。また、試料作製時に生じた収縮や変形などのアーティファクトを見極めることが重要です。


SEM観察

鏡体内は高真空に保たれているため、水分を含んだものは入れることができません。


凍結乾燥

固定、脱水後に凍結乾燥させます。


蒸着

試料表面に導電性を持たせるために金属コートします。この時にオスミウムプラズマコートを施すことが重要であり、金や白金のコートでは高倍率の観察はできません。


その他の技法について

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