東海電子顕微鏡解析       



 
  池の中の植物プランクトンを見てみよう
<後編>珪藻


前編では、植物プランクトンのラン藻類に注目して観察をしました。 後編では、同じ池の水の中に住む珪藻類などを観察してみましょう。


珪藻とは、 単細胞性の真核藻類で、単体または群体で形成される藻類です。 光合成もおこなっています。
珪藻の細胞は、被殻と呼ばれる多様な形の硬い殻に覆われています。比較の主成分は珪酸です。珪酸はガラスの主成分でもあり、この特徴が珪藻の名前の由来にもなっています。




  走査型電子顕微鏡(SEM)を使って
珪藻の表面を詳しく見てみよう。

タルケイソウ





これはタルケイソウの仲間です。名前のとおり、樽のような円筒形をしており、表面にはたくさんの穴が観察できます。
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表面の穴は規則正しく並んでいるのがわかります。タルケイソウは、長く連なり糸状の群体を形成します。







珪藻類は、種類ごとに特徴的な非常に規則正しい形をしており、形や大きさから種類を見分けることができます。

SEMでしか見ることができない細かい凹凸や穴の数などでさらに詳しく分類ができますが、 それには専門的な知識が必要です。

  オビケイソウ





これはオビケイソウの仲間です。長さは約20μm、厚さは約2μmの細長い形状をしています。

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表面にはたくさんの横縞模様が観察できます。バクテリアのようなものも付着しているのが分かります。






  ハリケイソウ




これはハリケイソウの仲間です。ハリケイソウの一部が隠れてしまい、全体像は観察できませんが、長さは数100μmはありそうです。幅は約3μmです。


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側面にはデコボコの縞模様が観察できます。縞模様の間隔は均一でとてもきれいです








  イチモンジケイソウ







これはイチモンジケイソウの仲間です。細長い柱状の形をしています。長さは約40μmです。





  ツメケイソウ




これはツメケイソウの仲間です。ツメケイソウの表面には長方形の穴が規則正しく並んでいます。長さは約20μmです。
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ツメケイソウの真ん中には縦線が入っているのがわかります。









  フナガタケイソウ





これはフナガタケイソウの仲間です。フナガタケイソウの表面には十字の模様が見えます。

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表面には多くの横線が確認できます。左右対称で綺麗な模様をしています。長さは約10μmです。







  タルケイソウとフナガタケイソウ
のコラボレーション





真ん中にあるのが、フナガタケイソウ。右側はタルケイソウの仲間です。さきほどのフナガタケイソウよりも短い形をしていますが、同じ仲間です。


同じ仲間の珪藻でも大きさや形状は様々なのです。

  タルケイソウ、ハリケイソウ
ネンジュモのコラボレーション




この写真では複数の植物プランクトンが観察できます。ラン藻類のネンジュモの上にタルケイソウとハリケイソウが付着しています。





  タルケイソウを拡大してみよう




タルケイソウを拡大してみてみると、表面にたくさんの穴が空いているのがわかります。このタルケイソウの表面にもバクテリアが付着しています。




普段、生活をしていると目で見える大きさの生き物にしか意識がいきません。しかし、身の回りには目では見ることのできないくらい小さな生き物がたくさん生活しています。
今回、ほんの一滴の池の水からその中にある世界を覗いてみました。
ミクロの世界にはまだまだ観察されていない生物がたくさん存在しているのです。
特殊な環境下の水や土の中を電子顕微鏡で観察すると、まだだれも見たことのない生物が観察できるかもしれません。 ミクロの世界を覗くことは、宝探しの冒険そのものです。





2018.8.28公開

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